山梨県南西部、2000m級の山々に囲まれた山懐に雨畑(あめはた)という地があります。富士川水系早川の支流、雨畑川の峡谷にいくつかの集落が点在しています。
雨畑という、何となくしっとりする地名の由来は、安部山(安倍川源流域山系)の北端にあるから(安倍端)という説や、やせた土地であるから「穀類を納税しない里」の意、などの説があります。
戦国時代から金の採掘がおこなわれ、「甲州金山」の一つとして明治期まで採掘が続きました。また、硯の原石「雨畑真石」が採れることから、古くから硯の生産が行われています。
この雨畑の地に、日本を代表するアルミメーカー「日本軽金属株式会社」により発電用のダムが建設され、1967年に完成しました。ここで取水された水は早川町役場近くの角瀬発電所に送られ、発電された電気は静岡市清水区蒲原の同社工場に送られています。
当ダムにより発電された電力は日本のアルミ産業を支えてきましたが、断層破砕帯を流れる雨畑川は土砂礫の流入が非常に多く、近年ダム底への堆積土砂が問題となっています。
この問題に対して国から行政指導を受けた同社は、5か年の計画で土砂搬出などの抜本的な対策を行うこととなりました。2020年3月期に110億円、翌2021年3月期にも162億円もの巨額の特別損失計上を余儀なくされ、経営上の大きな課題となっています。
今回は、身延町下山から主要地方道南アルプス公園線、県道雨畑大島線を通り同線終点の見神の滝まで収録しました。道は更に続き、標高1840mの山伏(やんぶし)峠を越えて静岡市井川まで延びる井川雨畑林道がありますが、災害のため通行止めとなっていました。
★ハイライト
15:08 雨畑大島線終点(南アルプス公園線交点)
19:51 鳥屋隧道
21:21 下見原隧道
22:43 左手に雨畑ダム
23:24 馬場隧道
23:40 右手にVilla雨畑(旧硯島小・中学校)
★主な走行路線
・山梨県道37号 南アルプス公園線
南アルプス市広河原から南巨摩郡身延町下山に至る主要地方道です。起点の広河原で北沢峠を越えて長野県伊那市に通じる南アルプススーパー林道に接続し、南アルプス登山口へのアクセスルートとなっていますが、奈良田以北は狭隘悪路のため一般車両は通行できません。
・山梨県道810号 雨畑大島線
南巨摩郡早川町雨畑から同町大島に至る一般県道です。1976年に林道から県道に昇格した路線です。ほぼ全区間1~1.5車線の狭隘路で、3.5mの高さ制限があるトンネルが3箇所あります。
※一部風切り音が大きくなっているため、音量控えめでの視聴をおすすめします。
※撮影に当たっては、交通法規を遵守し安全運転を心がけております。
(広角レンズの特性により、実際よりスピード感のある映像となっています。)
Date : 2021-05-22
Camera : GoPro HERO 8 Black
3840 × 2160(4K) 60fps
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